カードマジックにおいてのデックの持ち方 ポジションの解説

カードマジックにおいて、デックを持つ場合のポジションについて、様々な呼び名があります。

 

ここでは持ち方の呼び名とともに、それぞれの注意点などを解説したいと思います。

 

 

ディーリングポジション

ディールとはカードを配るという意味で、ディーリングポジションとはカードを配るための持ち方のことです。

 

メカニック・グリップ

通常は手のひらの前半分に斜めにデックを置くような位置で、デックの前エンドに人差し指、左サイドに親指と親指の付け根、右サイドに中指・薬指・小指がかかるように持ちます。(写真1)

この持ち方はメカニック・グリップとも呼ばれます。

 

写真1 左手ディーリングポジション(メカニック・グリップ)

 

中指、薬指、小指はあまり深く握らず、デックのトップから軽く上に出る程度にしてください。(写真2)

用途によってはさらに浅く、トップカードすれすれぐらいの高さに持つこともあります。

 

ディーリングポジションの指の位置

写真2 ディーリングポジションの指の高さ

 

いずれにしても、クラシックパスなどの特殊な場合以外は、指を深く持つことはありません。

また、指を曲げてデックを握っている形は、見た目的にも力が入りすぎていて美しくないと思います。

 

ディーリングポジション指を深く持つ

写真3 中指・薬指・小指を深く持ちすぎた例

 

なお、上記は右利きで、左手にデックを持つ場合の説明であって、左利きで右手にデックを持つ場合は左右逆に考えてください。

 

カードマジックをやらない一般の人がカードを配る場合、写真4のように、人差し指を前エンドに当てず、4指を全て右エンドに当てて持つことも多いです。

ディーリングポジション

写真4 ディーリングポジション(メカニック・グリップではない)

 

しかしカードマジックにおいては、基本的にこの持ち方をする利点はあまりありませんので、最初に述べたメカニック・グリップをディーリングポジションの基本と考えてください。

 

実際にカードを配る際には、写真5のように親指を伸ばしてデックのトップに当てますが、何もしないときは写真1のような形で、軽く親指がトップにかかる、もしくはサイドに添える程度の位置が、脱力して見えるので良いでしょう。

 

ディーリング・ポジション

写真5 カードを配るときの親指の位置

 

 

その他のディーリング・ポジション

ディーリング・ポジションには、メカニック・グリップ以外にもアードネス・グリップ、ストラドル・グリップなどいくつかの種類があり、それぞれ用途も異なります。

 

しかしここでは各グリップの詳細を述べることは本筋ではありませんので、別の機会に譲ることとさせていただきます。

 

 ディーリングポジションのバリエーション

オープン・ディーリングポジション

メカニック・グリップのディーリングポジションで、5指を全て開いた状態を言います。(写真6)

 

演技の中で長時間この位置で持ち続けるということは無く、客のカードを入れた後やシャッフルの後などに、何もあやしいことをしていないという印象を与えるために、一瞬この持ち方でアピールすることがあります。

 

指の開き具合など、美しく見える形を研究してみてください。

個人的には、力を込めて目いっぱい指を広げるよりは、軽く力を抜いて閉じかけている程度のオープン具合が美しいように思います。

 

オープン・ディーリングポジション

写真6 オープン・ディーリングポジション

 

オープン・ディーリングポジションという呼び方は実は多くのマジック解説書などでもあまり使われることは無く、私が見たのはロベルト・ジョビーの「カードカレッジ」での記述のみです。

もしかしたらロベルト・ジョビーが名づけた言葉かも知れません。

 

しかし呼び方は別にして、演技の中でこの持ち方を意識することは大切だと思いますので、ここで紹介しました。

 

エレベイテッド・ディーリングポジション

これもロベルト・ジョビーの創案になる言葉かも知れません。

デックを手のひらから浮かせて、指先に持つポジションです。

 

写真7では人差し指を前エンドに当てていますが、用途によっては人差し指を軽くまげて、デックのボトムに当てる場合もあります。

エレベイテッド・ディーリングポジション

写真7 エレベイテッド・ディーリングポジション

 

このポジションは、シャッフルやカット、パームなどといった、カードマジックの各種技法において頻繁に出てくるものですので、名称はともかくとして、いつでもスムーズに持てるように練習してください。

 

エンド・グリップ(ビドル・グリップ)

これはここまで述べてきた他の持ち方とは異なり、右手で持つポジションです。(右利きの場合)

 

デックの手前エンドに親指の指先、客側エンドに中指と薬指、小指の指先を当てます。

人差し指は軽くまげて、デックのトップに添えます。(写真8)

 

エンド・グリップ

写真8 エンド・グリップ(ビドル・グリップ)

 

各指はデックのボトムカードに軽くかかる程度で、特別な目的があるとき以外はあまり深く持たないほうが良いです。(写真9)

エンド・グリップ内側から

写真9 エンド・グリップ(ビドル・グリップ)を下から見たところ

これはビドル・グリップともよく呼ばれます。

エルマー・ビドルというマジシャンによるビドル・ムーブという技法で使われる持ち方だからです。

 

エンド・グリップ

写真10 エンド・グリップ(ビドル・グリップ)客側より見たところ

 

写真10はエンド・グリップを客側から見たところですが、小指がちょっと立っているのが良くないですね。

ちょっと悪い例として見て下さい。

 

エンド・グリップは、数枚程度の少ない枚数で演じるパケットトリックと呼ばれるカードマジックでも、頻繁に用いられます。

 

カードのグリップの遷移

さて、ここで述べたポジションのうち、ディーリング・ポジション(メカニック・グリップ)とエレベイテッド・ディーリングポジション、そしてエンド・グリップ(ビドル・グリップ)は、それぞれ密接に連携して使われます。

 

基本的に、左手ディーリング・ポジションに持った状態で人差し指を伸ばし、右手で上から掴んだポジションがエンド・グリップになるクセを付けてください。

 

また、ディーリング・ポジションから右手で持ち上げて、エレベイテッド・ディーリングポジションの位置で軽く揃えるという動作も、カードマジックにはよく出てくるものです。

これらのポジションの連携がしっかり出来るように、何度も練習してください。

 

 最後に

このような、単なるポジションなどというものは練習するまでも無いと思われるかも知れませんが、こういった基本中の基本にこそ、カードマジックの真髄があるものです。

武術でいう形の稽古のようなものだと思います。(わたしは武術をやっていないので、”思います”としか言えませんが。)

 

実際、カードマジックをやっている人かやっていない人なのかは、カードの持ち方を見ただけで分かります。

 

ただし、人の手は千差万別であり、カードマジック技法は全て人それぞれ最適な位置が異なります。

実際の練習にあたっては、極端と思えるようなポジションも含めて自分で色々と試してみて、自分にとって最適な位置を見つけてください。

 

そして、指の位置、脱力感、スピードなどに留意しながら、各ポジションの遷移が最も美しく見えるような動作を研究してみてください。

ここをしっかりとやることによって、今後の貴方のカードマジックの確かな血肉となるものと確信しています。

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