“Coin One” by Homer Liwag ホーマー・リワグによるビジュアルなコインズ・アクロス

coinone

ビジュアルな現象、それはカードマジックにおいてもコインマジックにおいても、現代の流行の先端をゆくテーマのひとつです。

 

コインズ・アクロスにおいて近年スリー・フライが流行しているのは、コインが片方から消えた瞬間に別の手に出現するという、ビジュアル効果を重視するという嗜好が大きいでしょう。
しかしスリー・フライでは視覚効果を高める反面、不思議さ、クリーンさが若干犠牲になっているきらいがあります。

 

今回ご紹介のコイン・ワンは、ビジュアルな効果はスリー・フライと同等、いや見方によってはそれ以上でありながら、不思議さやクリーンさも同時に最大限に達成しているとも思える傑作手順です。
ホーマー・リワグの代表作と言ってよいでしょう。

 

(※ヘッダー画像は”Coin One”オフィシャルトレイラー動画の一部をお借りしました。)

 

ホーマー・リワグの”Coin One”

ホーマー・リワグ”Homer Liwag”はクリス・ケナー”Chris Kenner”との関係が深いマジシャンです。
クリス・ケナーはデビッド・カパーフィールドのマジックアドバイザーとして有名ですが、ホーマー・リワグもそのチームの一員として働いているようです。
また奇術雑誌”Magic Man Examiner”やケナーの作品集”Totally Out of Control”を共同執筆するなどの著作活動もしています。

 

いつもは現象紹介では私自身の演技動画をご覧いただくのが多いのですが、本サイトでは自分の動画しか掲載しない、と縛りを課しているというわけでもありません。
今回は考案者であるホーマー・リワグ自身による模範的な演技動画がOfficial TrailerとしてYoutubeに上がっていますので、そちらを紹介したいと思います。

 

一般にOfficial Trailerの中には、過度に演技が断片化され、マジックの実像が分からなくなっているようなものもありますが、”Coin One”の動画は若干の編集はあるものの、演技として十分に堪能できるレベルだと思います。

 

>>動画リンク<<

 

この作品のコンセプトは、言わばオープン・ハンド・コインズ・アクロスということですね。

 

コインズ・アクロスに属するマジックは数多くありますが、その多くが移動の瞬間には手を握って演じる手順です。
今までに当サイトで紹介した中では、ウイングド・シルバーPassing the Half-Backsなどもその種の”普通の”コインズアクロスに属します。
またスリー・フライでは手は握りませんが、手の内側を客に見せない点では同様です。

 

“Coin One”では手のひらを上に向けたまま、手を握ること無く移動の瞬間がビジュアルに演じられる点が最大の特徴です。
そのために使われている技法は彼のオリジナル技法で、近年ポン太theスミス氏のいくつかの作品に用いられて広く知られるようになりました。

 

その他、3枚目でサッカー的な移動現象が取り入れられているのも面白いですね。
このような見せ方はJohn Kennedyの”Not Yet”や、Chris Kennerの複数の作品などにも用いられています。

 

ラスト1枚の扱いも特徴的な部分です。
このように「あれ、いつのまに?」的なアクロスの表現方法は、わたしはヒロ・サカイ氏のコインズアクロスで初めて見ました。
ポン太theスミス氏のウイングド・シルバーでも取り入れられていますね。

 

“Coin One”に関する個人的なこと

このマジックはDVD化の際に”Coin One”と名前を付けられましたが、元々はChris KennerとHomer Liwagが出版していた”Magic Man Examiner“という雑誌上で、”Four Coins and a Filipino”と題して発表されました。

“Magic Man Examiner”は4号までしか出ていませんが、Chris KennerのThree Flyが初めて発表されたりと、今から考えればなかなかエポックメイキングな内容を含むものであったようです。

 

手順名を直訳すると「4枚のコインと(一人の)フィリピン人」ということで、演者であるHomer Liwag氏がフィリピン人であるから、という意味あいなのでしょうか。
氏の出自を確認したわけではありませんので、単なる推測ですが。

 

私がこの作品を初めて知ったのは、MagicCafeのスレッドでの話題を通してです。
スレッドでは、この種の手順の中では最高の作品である、とする意見も多々見られ、どんな作品なのか見てみたいと熱望するようになりましたが、その時点で”Magic Man Examiner”はすでに入手困難となっていました。

 

その後ジェフ・ラタの来日レクチャーの打ち上げで、某日本人マジシャンの方から見せてもらったのが、この作品の演技を見た最初です。
正確には、その方がラタ相手に演じられていたのを横から見ていただけですが^^;

 

かつては知る人ぞ知る幻の傑作という感じであったものが、”Coin One”としてのDVD化によってアンダーグラウンドではなくなったのは、若干惜しい気もしないではありません。
しかしまあ、私自身は”Magic Man Examiner”は入手することが出来ず、”Coin One”によって初めて全貌を知ったクチなので、恩恵を被っている側ですね^^;

 

“Coin One”を学べる資料等

元々は”Magic Man Examiner”という奇術雑誌に発表されましたが、これは当初からマイナーな出版物で、合本等にもなっていないので入手は困難です。

 

DVDとして「Coin One」という商品が出ており、このDVDにはメイン作品として”Coin One”、おまけとしてChris Kennerの”The Deep”が収録されています。

現在このマジックを学ぶために、普通に入手可能なものとしてはこの商品が唯一のものではないかと思います。

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コメント

    • ざきぽむ
    • 2013年 4月 09日

    ホーマ・リワグの名前をsickで知った新参者の私には、とても興味深い内容で面白かったです。
    この人、あまり表に出ない人だと思うので、調べてもなかなか詳細が出てこない。事実自分は顔も知りません。DVDは持ってるのに(笑)

    内容はビジュアル、不思議、クリーンの三拍子揃った傑作だと私も思います。解説も最近のDVDらしく一部の文字と映像のみでわかりやすいものでした。
    他にもワンダラーなど、コインマジックの最近の流行が現れてますね。

    余談ですが、氏はcointwoという全世界1000セット限定のDVDも出してるそうです。こちらは複数の作品が紹介されてるDVDだそうなのですが、入手困難で私は持っていません。
    いつか再販してほしいものです(ヽ’ω`)

      • Shanla Type2
      • 2013年 4月 09日

      >ざきぽむさん
      Liwag氏の顔は、以下の動画で見られます。

      西洋人ではないのは確かで、やっぱりフィリピン系の人なのかも知れません。

      CoinTwoは出たのは知っておりましたが、入手はしておりませんでした。
      Trailerなどを見る限り、上のTrifectaの内容も含んでそうな感じですね。

      Homer Liwag氏のDVDといえば、“The Rice Papers”というのも出ていますね。
      時系列的には、CoinTwoの後に出たものでしょうか。
      こちらは持っておりますので、機会があればそのうちレビューしてみたいと思います。

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  • これだけテレビやモニター技術が発達しているが、ベゼル幅ゼロとか折りたたみ可能ディスプレイというのは、まだまだ実現できないものなのかな。
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