ここではコインマジックにおけるサ行の用語を紹介します。
人名・奇術の作品名や書名などは扱わないものとしますが、ジャンル名となっているような古典的な奇術名については扱うものとします。
基本とは言えない技法についても、もれなく扱うと膨大な数となるので、著者の主観にてある程度重要と思われる技法に絞って紹介します。
また、コインマジックだけでなく奇術全般に当てはまる専門用語は、カードマジックの項目に含めて記載します。
サで始まる言葉
サッカー・ムーブ(バニッシュ)
サッカートリックと同じコンセプトだが、技法レベルでのサッカー・ムーブというのは、観客にタネを疑わせる動作をわざと行い、その推測が間違っていることを暗に示すタイプの技法。
サム・パーム
親指の付け根でコインを保持する隠し方。普通に「サム・パーム」といえば、手のひら側にコインが隠れている状態を言う。逆はバック・サムパーム。
サムパーム・バニッシュ
コインを手から手に渡すときにサムパームを行い、実際には渡さないバニッシュ技法。
シで始まる言葉
JWグリップ
ジミー・ウィルソンというマジシャンの考案による技法。軽く指を開いた形で、手のひらの内側(指の内側も)見せて、空のように見えるが、コインが隠されているというもの。
ジミー・ウィルソン・グリップ、ウィルソンパーム、フィッチパームなどとも呼ぶ。フィッチ・パームの呼称は、ボブ・フィッチというマジシャンが使用したことによる。
シェル・コイン
コインの枚数を自由に増減出来るギミックで、ギミックコインの中でも基本的なもののひとつ。
シャトル・パス
ユティリティー・ムーブのバリエーションで、デビッド・ロス考案による技法。1枚のコインを手から手に渡し、その1枚以外は手が空に見えるが、実際にはもう1枚が隠されている。
スで始まる言葉
スイッチ
コインをすり替える技法。変わった瞬間を見せる「チェンジ」とは異なり、変わったことを見せずに秘密技法として行うもの。
スクープ・アドアンダー
デビッド・ロスの技法。テーブル上にあるコインをつまみ上げる動作の中で、密かに下にコインを付け加える。
スコッチ&ソーダ
2枚の異なるコインが1枚になるギミック。
スクープ・チェンジ
テーブル上のコインをカードですくい取り、手に投げ落とす過程で、コインをすり替える技法。
スタック・コイン
「キャップ&ペンス」、「シリンダー&コイン」などに使われるギミックコイン。
スチール
手などに持っているコインを、密かに反対の手に取ってしまう技法の総称。
ストライキング・バニッシュ
デビッド・ウィリアムソンの技法。棒状のもの(ウォンドやペンなど)でコインなどの小さい物体を叩くと同時に消失する。
スパイダー・バニッシュ
スパイダー・グリップ・バニッシュとも言う。サッカーバニッシュの一種で、フレンチドロップの動作をわざと疑わせるような動きを行った後、反対の手にも無いことを示す。
スペルバウンド
コインを指先に持って、他のコインに変化させるマジックの総称。元々はダイ・バーノンによってStars of Magicに発表された作品。
スペルバウンド・ポジション
コインを指先に持つポジションのひとつで、スペルバウンドでよく使われる持ち方。
中指、人差し指、親指の指先で、コインのエッジで保持する。フレンチ・ドロップ・ポジションの持ち方と同じ。
スリービング
コイン(に限らず、あらゆる品物)を密かに袖に入れる技法の総称。
セで始まる言葉
ソで始まる言葉
ソフト・コイン
古いコインが経年変化で磨り減って、凹凸がほとんど無くなった状態のコインを指す。こすり合わせても音がしにくいので、この種のコインが好んで用いられる場合もある。
自然な磨耗ではなく、機械的な加工で凹凸を削って作られた”人工”ソフトコインもある。
ソリッド・ボックス
オキト・コインボックスの変種のひとつで、ボックス自体が容器ではなく金属の塊となったもの。これ単体で使うというよりは、普通のオキト・コインボックスのクライマックスとして使われる。
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