「バーバー・ハーフダラー」 Barber Half Dollar バーバーコイン、100年前のアンティーク銀貨

barbar

コインマジックに使われるコインは世界的にアメリカのハーフダラーサイズが標準となっています。
銀貨として使われるスタンダードなコインがハーフダラー(50セント銀貨)であるわけですが、このコインは発行年代によっていくつかのデザインの変遷を経てきています。

 

コインマジックにのめりこんだマニアほど、古い時代のハーフダラーを好んで使いたがります。
それはデザイン的な面と、材質の面、そして磨耗度合いなど、いろいろな理由がありますが。

 

今回ご紹介するバーバー・ハーフダラー”Barber Half Dollar”は、今からおよそ100年~120年ほど昔のコインで、以前紹介しましたウォーキング・リバティの1世代前のハーフダラーです。
1892年~1915年の間に発行されました。
これよりさらに古いハーフダラーも存在はするものの、そこまで行くとかなりコインコレクター的な側面が強くなってしまいます。
あくまで一般的なマジシャンの観点で好んで使われるハーフダラーの中では、このバーバー・ハーフダラーが一番古い時代のコインと言えるのではないでしょうか。

 

バーバー・ハーフダラーのデザイン

バーバー・ハーフダラーの大きさは、ウォーキングリバティや現行のケネディ・ハーフダラーなどと同一の、約30mmちょっとです。
実際には30mm~30.5mm程度で個体差があります。

 

DSCN0965

上の写真の左が裏面、右が表面(フェイス面)です。

コインとしての正式名称は”Liberty Head”といい、フェイスのデザインは自由の女神の横顔の頭部を大きく配したものとなっています。
ちなみにバーバーの前のハーフダラーがシーテッド・リバティ”Seated Liberty”、後のコインがウォーキングリバティ”Walking Liberty”で、年代によって「座る」「横顔」「歩行」などとコンセプトが変遷しています。そのうち”Flying Liberty”など出てきたら面白いんですが。

 

バック面はアメリカの国章のハクトウワシで、このモチーフはいつの時代も同じですね。
フェイスに”In god we trust”、裏面に”United States of America Half Dollar”との文字が刻印されているのも、ずっと継続されているデザインです。

 

DSCN0968

ウォーキングリバティと比較したところ。
フェイスもバックも、バーバーのほうがおとなしいシンプルなデザインですね。

バックのハクトウワシは、ウォーキングリバティでは割とリアルなレリーフの描写になっているのに対して、バーバーのほうは紋章のようなグラフィック化された図案となっています。

 

DSCN0969

バーバー・ハーフダラーと同時代のワンダラー・コインは、モルガン・ダラーと呼ばれるコインでした。
上の写真の左と真ん中のコインがそうです。

 

このモルガンコインも、バーバーと同じ”Liberty Head”のデザインで、同時代のコインとしての共通性があります。

 

 

ソフトコインについて

バーバー・ハーフダラーは、製造からの経年磨耗の要因と、当時の鋳造技術の未熟さもあって、現在ではほとんどが上の写真のように磨耗したコインとなっています。
磨耗によってコインのレリーフの凹凸が削られ、かなり平らに近い表面となっています。
このような状態のコインを、マジック界では「ソフトコイン」と呼んでいます。

 

「ソフトコイン」状態というのは、コイン収集家にとってはおよそマイナス要素でしかなく、可能であればなるべく新品に近いものが望ましいという嗜好が多いでしょう。
しかしコインマジシャンにとっては、見た目のアンティークな味わいが好まれるとともに、技法を行う上でもソフトコインが望ましい場合が多くあります。

 

新品に近い状態の良いコインであれば、コインの表面の凹凸がはっきりしているために、コイン同士を接触して滑らせると摩擦音がします。
しかしソフトコインであれば、コイン同士を擦り合わせてもほとんど音がしないものもあり、そのような技法を行うコインマジックにおいては、とくに重宝されます。
自然な状態で磨耗したコインはなかなか見つけにくいので、状態の良いコインをわざわざ機械的な加工で研磨して、人工ソフトコインが製造されることもあります。
メーカーやショップなどによる機械的な加工だけでなく、ユーザー個人で研磨加工をする人も居ます。
DSCN0971

しかし人工的な研磨加工と、自然な経年変化での磨耗とではやはり風合いが多少違うのも事実で、出来れば自然に磨耗したコインが望ましいというのが多くのマジシャンの嗜好でしょう。
ちなみに上の写真の左側のバーバーは自然なソフトコインですが、右側のモルガン・ダラーは、人工的に作られたソフトコインです。

 

話がそれましたが、ソフトコインには常に一定の需要があるわけです。
そしてバーバー・ハーフダラーでは余計な手間をかけずとも、現在残っているものはほとんどがソフトコイン状態であるため、この面でもこのコインを好む人がいるというわけですね。

 

ただし、客観的に見るとやっぱり磨り減って古びたコインですので、一般客相手には視覚的に特別アピールするものでもありません。
一般客の目には、状態のよいウォーキングリバティや1964年ケネディのほうが美しく映るでしょう。
そういう面を総合的に判断して使う必要があります。

 

ちなみに私の場合は、特別ソフトコインを使う必要のある手順の場合にはバーバーを使いますが、通常はウォーキングリバティを使っています。
当サイトに今まで上げた動画の中では、ハンギング・コインにおいてはバーバーを使っていますね。

 

 

DSCN0970

ソフトコインとはつまり磨耗したコインですから、当然体積や厚みが減少しています。

 

上の写真は、バーバーとウォーキング・リバティをそれぞれ4枚重ねて比較したものです。
もちろん、左がバーバー、右がウォーキング・リバティです。

 

バーバーのほうは、4枚重ねでウォーキング・リバティの3枚分の厚みよりわずかに厚い程度で、1枚の厚さで言えば3/4強ということになりますね。
周囲のギザも、同じように磨耗してツルツルしています。

 

厚みや重さの違いと、コイン表面同士の密着感など、バーバー・ハーフダラーはウォーキング・リバティ以降のハーフダラーと比べると、扱ったときの感触がかなり違います。
エッジ面の摩擦力が弱いため、4枚をクラシックパームした状態から1枚ずつ落とす、などという操作はかなり困難になります。

 

バーバー・ハーフダラーの入手

銀の含有率が高いコインなので、ウォーキング・リバティなどと同様、銀価格に応じて近年はかなり価格が上がっています。
また100年前の古銭であるという部分でも、ウォーキング・リバティよりは高額になります。
現在ではおよそ1枚2500円~3000円前後でしょうか。
ウォーキング・リバティの1.5倍ぐらいの感覚ですね。

 

マジックショップやコインショップ等で入手可能です。

よろしければ、この記事に対しての評価をお願いします。 
最低イマイチ普通良い最高 (5 投票, 平均値/最大値: 4.60 / 5)
Loading...
※5段階の簡単評価です。★を選択することで誰でも簡単に評価できますので、お気軽に「ポチ!」をお願いします。
スポンサーリンク

関連記事

コメント

    • 長谷部 喬大
    • 2013年 6月 16日

    ハーフダラーいいなぁー
    ほしい

      • Shanla Type2
      • 2013年 6月 23日

      バーバーはいかにも年代物という風合いですが、こだわりだすと欲しくなりますよね。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

スポンサーリンク

Books

Twitter

  • おむつケーキはNG!? 実は「もらって嬉しくない出産祝い」5選 | It Mama(イットママ) https://t.co/uj7euC0WjW @ItMamajpさんから  おむつケーキって何かと思ったら、おむつのように見えるケーキではなく、ケーキのように見えるおむつ、なのね。
    about 3週間 ago
  • @KotouchiS また、件の見せ方自体を"Freeman Display"と呼ぶようでもありますね。 https://t.co/LvGvhyhdKo フリーマンのムーブ自体の正確な形が分からず、メンドーサのノート自体も持っていませんので、詳しいことは分かりませんが……
    about 1か月 ago
  • @KotouchiS 調べてみると、確かにフリーマンという情報もありますね。 MagicCafeの下記ページでは、フリーマンの技法だけども、彼は発表しなかったとあります。 https://t.co/AhvfATlMkP
    about 1か月 ago

メルマガ登録

当サイトでは、記事の更新情報を週に一度、無料でメール配信しております。ご希望の方は以下からご登録ください。


 

ページ上部へ戻る

 

 

ラペルズギルド 自炊と食べ歩き