「デビリッシュリー・ダイレクト」高木重朗: デビリッシュ・ミラクルの高木氏による簡潔なバリエーション

先日紹介いたしましたエドワード・マーローの代表作「デビリッシュ・ミラクル」は、高木重朗氏のお気に入り奇術のひとつであったようです。
原案の翻訳紹介をされてもいますし、ご自分で練習・演技もされていたと聞きます。

 

さらに、高木氏自身によるこの奇術のバリエーションも発表されており、それが今回紹介します「デビリッシュリー・ダイレクト」です。
この作品は、リチャード・カウフマン著の高木氏の作品集「高木重朗の不思議の世界」”原題:Amazing Miracles of Shigeo Takagi”の冒頭に解説されています。

 

この本に掲載された選りすぐりの25作品の中から、「デビリッシュリー・ダイレクト」を冒頭に配置したのは高木氏本人の意思なのかどうかは不明です。
しかし少なくとも、このテーマが氏の心を捉えて離さなかったもののひとつであることは分かりますね。

 

「デビリッシュリー・ダイレクト」の内容

今回も動画を作成してアップしておりますので、よろしければご覧ください。
実際には前回のデビリッシュ・ミラクルと同時期に動画はアップしておりましたが。

 

[ktaicontent]>>動画リンク<<[/ktaicontent]

 

原案のデビリッシュ・ミラクルに比べると、ずいぶんあっさりした印象の手順です。
消失や出現を表現するというよりも、1枚目のカードと2枚目のカードの交換、という現象一点に焦点が絞られていますね。
名称のとおり、まさにダイレクトな味わいの小品となっています。

 

演技時間も短く、現象自体も一続きでクライマックスまで一直線ですから、クイッキートリックと呼んでもよいくらいです。
原案のデビリッシュミラクルはきちんとショーアップされた場で演じる、物語的な手順ですが、デビリッシュリー・ダイレクトはどちらかといえばもう少しカジュアルな場で演じるのに向いているでしょう。
アマチュアマジシャンにとってはそれだけ使いやすい手順ですね。
テーブルホッピング等の短時間の演技にも適しています。

 

また現象だけでなく、具体的な方法がほれぼれするほど合理的に単純化されています。
高木氏の作品はそういう印象を抱かされるものが多いですが、その中でもこの作品はとくに単純化が際立っている感じがします。
もちろん原案と比べているから、という面もあるかも知れませんが。

 

半分カットする場面でお客様の手をお借りすれば、テーブルなしのウォーク・アラウンド形式でも問題なく演じることが出来ます。
お客さんが持ったままのデックに、マジシャンのパケットからカードが飛び込むという現象になりますから、デックをテーブルに置いた状態で演じるよりも効果が高まるのではないでしょうか。

 

「デビリッシュリー・ダイレクト」の掲載書籍

「デビリッシュリー・ダイレクト」は上述のように、リチャード・カウフマン著”Amazing Miracles of Shigeo Takagi”に掲載され、その後東京堂出版より「高木重朗不思議の世界」として邦訳出版されました。

 

ただし現在は絶版となっており、古書を買い求めるしか入手手段はなさそうです。
高木重朗の不思議の世界(Amazon)

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コメント

    • 2013年 2月 13日

    お見事!

      • Shanla Type2
      • 2013年 2月 14日

      ありがとうございます^^

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