「稲妻の輝き」というカードマジック作品をご紹介します。
この作品は荒木一郎氏の著書「舶来カード奇術あ・ら・カルト」で解説されたもので、元々は米国のマジシャンアーネスト・イアリック(Earnest Earick)による”Jack Syna(ps)ces”というカードマジックです。
原作はステファン・ミンチ著のイアリック作品集である「By Forces Unseen」という本に掲載されたものです。
「舶来カード奇術あ・ら・カルト」に掲載するにあたって、「稲妻の輝き」(Lightning and Thunder)という題名が付けられていますが、改案というほどの変更点は無いと思います。
細部のハンドリングや見せ方などに、多少の変更は加えられています。
「稲妻の輝き」”Jack Syna(ps)ces”の難易度
わたしがこのカードマジックに注目し、練習してみようと思ったきっかけは、何を隠そうその”難易度”です。
マジックはテクニックではなく演技・演出が大事である、ということは百も承知ながらも、やはりマニアとしては難しいマジックと聞くとやってみたくなるんですね。
以前ご紹介したデレック・ディングルのロールオーバー・エーセスも、練習しようと考えたきっかけはそこからでした。
この「稲妻の輝き」は、「舶来カード奇術あ・ら・カルト」の解説文では”ハードな一品”と表現されています。
実際に荒木氏ご本人に伺ったときも、このマジックがこの本で一番難しい本だとおっしゃっていました。
そもそも、「舶来カード奇術あ・ら・カルト」自体が、表紙に”初心者立ち入り禁止”と注意書きがされた本なんですけどね。
とまあ、そんなこんなで、「舶来カード奇術あ・ら・カルト」が出版された当時(2002年ごろ?)にこれを覚えて演じていたわけです。
それから長い間演じていませんでしたが、昔わたしが作ったこのマジックの動画をご覧になった方から、このマジックのことを話題にされたので思い出しました。
それで、今でも覚えてるかな~と手を動かしてみたところ、ちょっと細かい部分は忘れていたものの、全体的には結構覚えていて自分でも驚いた次第です。
なお、「By Forces Unseen」の中では”Jack Syna(ps)ces”が一番難しいというわけでは必ずしもなく、さらに難易度が高いように思われる作品も載っています。
全体的に変態的技法オンパレードの本ですね。あれは。
でも現象のほうも負けずにユニークなものも多い、面白い本です。
いずれ機会があれば、「By Forces Unseen」も紹介しようかなと思います。
「稲妻の輝き」”Jack Syna(ps)ces”の演技
ではまあ、今回わたしが作成した「稲妻の輝き」の動画をご覧下さい。
基本的には、「舶来カード奇術あ・ら・カルト」の記載の通りの手順です。
が、ラスト部分のスラップは、ちょっと私には自然に行うのが難しいような気がしたので、ここだけ普通のカラーチェンジっぽいハンドリングに今回変えてみました。
このマジック、ちょっとレギュラーデックで演じるには無理があると思えるほどの現象ですが、観客から見えている現象は単純な交換現象です。
その交換現象の付加条件として、4枚同時、さらにデックにバラバラに差し込んだ状態で、というのが加わっているわけですね。
現象としては単純なものですから、演技全体をさらっと流すように軽く演じるのが、この作品には適切なのだと思います。
一応これを覚えた頃は、このマジックを一般のお客様相手のレパートリーにも入れていました。
会社の飲み会で、上司達の前で演じたこともあります。
・・・が、やはり酒席に向くようなマジックではなさそうな感じでしたね^^;
わたしの腕がまだまだということかも知れませんが。
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