先日紹介・解説いたしましたコインロールに続き、今回はもうひとつのメジャーと言えるコイン・フラリッシュ、ロールダウンを紹介いたします。
ロールダウンは、4枚もしくは5枚のコインを使って行うものです。
コインを重ねて持った状態から、片手のみの操作で、各指の間にコインが挟まれた状態に持ってゆくというフラリッシュです。
コインロールは比較的マジックそのものとの関連が深いフラリッシュでしたが、このロールダウンはもう少し純粋なフラリッシュ寄りの位置づけかと思います。
なお、カードでも同様のフラリッシュがありますが、そちらはカード・ロールダウンと呼ばれます。
それに対して、コインのものはコイン・ロールダウンとわざわざ呼ばれることは少ないです。
カード・ロールダウンは故マーカ・テンドー氏の考案ですから、もちろんコインフラリッシュのほうが先であるということですね。
ロールダウンの見た目とやり方
ロールダウンの動画を作成してみましたので、よろしければご覧ください。
動画では多少発展的な技法もやっていますが、通常は4箇所の指の間に挟むところまでをロールダウンと呼びます。
このロールダウンとか、マヌエルのファイブ・コイン・スターなどのコインフラリッシュは、どちらかというとサロン規模以上のマジックで取り入れられることが多いです。
キング・オブ・コインと呼ばれたT・ネルソン・ダウンズはこれを得意としていました。
ダイ・バーノンの傑作コインマジックとして有名なFive Coins and a Glassでも、正確にはロールダウンとは呼べませんが、よく似たディスプレイが出てきますね。
しかしクロースアップマジックで使われる場合も多少ながらあります。
昔、名古屋の名手パピヨン大西氏から見せてもらった4枚のコインズ・アクロスでは、冒頭でロールダウンを効果的に使われていました。
この使い方はわたしも気に入り、自分の手順でも取り入れさせていただいています。
本当はコインロール同様、ロールダウンも両手でやれば様になるんですけどね。
なかなか左手でまで練習する機会がなかったのと、そこまでやってしまうとマジックではなく完全にフラリッシュを見せる演目となってしまうように思えますし、自分には必要ないと考えて右手だけで満足しています。
ロールダウンを解説した本
コインロールの解説文献と同じになってしまいますが、ロールダウンに関しても、「コインマジック事典」と「奇術入門シリーズ コインマジック」に解説されています。
わたしの動画では1枚ずつ送ってゆくやり方しか演じませんでしたが、ロールダウンには大きくわけてこれ以外に、2枚ずつに分けてから一気に広げて4枚にするという方法があります。
解説書ではそちらの一気に開くほうが易しく、1枚ずつ送る方が難しいというように書かれており、私も最初はそのとおりに感じていました。
しかし長年、1枚ずつ送る方法しかやってこなかった結果、今ではそちらしか出来なくなってしまいました^^;
本にはどちらの方法も解説されていますので、わたしの動画以外の方法が気になった方は参照してみてください。
また、ロールダウンから続けて全部の指の上に乗せるパターン等は、洋書になりますがJ.B.Boboの”Modern Coin Magic”に解説されています。
T・ネルソン・ダウンズの”The Downs Coin Star”として載っています。
もちろんこれ以外でも、この本はコインマジックのバイブルと言える内容ですから、コインマジックを本格的にされるなら是非挑戦してみてください。
この記事へのコメントはありません。