マジック作品紹介

沢浩 Dr. Sawa

【マジシャン紹介】沢浩 Hiroshi Sawa 世界的マジッククリエイター「ドクター・サワ」

沢浩氏は本業は歯科医で、マジックは趣味でなさっているアマチュアマジシャンですが、世界的に最もよく知られた日本人マジシャンの一人です。

 

過去にはラスベガスデザートマジックセミナーやニューヨークマジックシンポジウムなど、著名な奇術大会での入賞・出演経歴が多数あります。

また国内外テレビでのマジック番組へも、数限りなく出演されています。

 

海外のマジシャンに対して、日本人マジシャンで有名なマジシャンを挙げてくれと言えば、間違いなく3本の指には入る知名度でしょう。

 

なお、カラー版の沢氏のポートレイトは、リチャード・カウフマン著”Sawa’s Library of Magic”掲載のものをお借りしています。

 

沢浩氏のマジックと素材

沢浩氏は独創性あふれるマジックのクリエイターとして有名です。

 

沢氏の創造作品はマジックの多岐の分野に渡りますが、とくに顕著な魅力となっているのが、独特の素材と、その素材に合ったストーリーの提示ではないでしょうか。

 

ホネガイを扱う若き日の沢浩氏

ホネガイを扱う若き日の沢浩氏(天海賞作品集)

この傾向は、カードやコインといった伝統的にあるマジック素材の作品よりも、貝殻や植物といった、他のマジックには無いような素材に目を向けた作品においてよく現れています。

 

沢浩氏を代表する作品のひとつに、「真珠物語」というマジックがあります。

貝殻と真珠をモチーフとした詩的な物語が展開される作品で、クロースアップマジックでありながら、さながら戯曲のような魅力のある作品です。

 

巨匠ダイ・バーノンが来日したとき、沢氏の真珠物語を見て、「Sawaのマジックには詩がある。」と激賞したそうです。

その後のクロースアップコンテストなどでも、沢さんを代表する演技として大切に演じられていました。

 

沢さんがこの「真珠物語」を海外の番組で演じられたときの映像がYoutubeにありましたので、ご紹介します。

 

貝殻を使ったマジックは他のマジシャンでも見たことがありますが、ここまで壮大なストーリーに仕立て上げた作品は他に例を知りません。

 

沢浩氏のてんとう虫

沢浩氏のてんとう虫(Sawa’s Library of Magic)

その他にこういった自然物系統の作品として有名なものに、「てんとう虫」という手順がありますね。

 

これは非常に魅力的なストーリーのある小品で、テンヨーのマジックセットにも、これの簡略版の用具が入っています。

 

 

沢浩氏のコインマジック

自然物を使った作品以外では、コインマジックにおいて有名な作品が多いです。

 

バーノンやチャーリー・ミラー来日時に披露して、彼らが涙を流すほど感激したというユニークなコインマジックとして、「One to Four」という作品が有名です。

「One to Four」の現象自体がそれまで無かったもので、今では多くのマジシャンが取り組むコインマジックのプロットとなっています。

 

その他商品化されたコインマジック関係では、SAWAGS、サワボックスなどが有名です。

 

また近年、沢浩氏のコインマジック作品だけを集めた3巻組みのDVD「The New Coin Magic of Dr. Sawa」が出ています。

 

沢浩氏の作品集

沢浩氏のマジックを扱った本や映像などは、これまでにいくつか出ています。

 

Sawa's Library of Magic

Sawa’s Library of Magic

書籍で最もまとまった形のものは、リチャード・カウフマン発行の「Sawa’s Library of Magic」でしょう。

この本は第1巻となっており、いつか第2巻が出るのかと期待していましたが、第1巻の発行から20年以上経った現在も出ていませんので、これはもう期待できないかも知れません。

 

 

 

 

石田天海賞「沢浩作品集」

石田天海賞「沢浩作品集」

上記は洋書ですが、日本語の本としては、石田天海賞の「沢浩作品集」があります。

これは沢氏が1973年に石田天海賞を受賞されたときの作品集です。

 

この本に「One to Four」も解説されているのですが、これ滅茶苦茶難しいですね^^;

多くのマジシャンによって多数のバリエーションが発表されている現在でもなお、トップクラスの技術的難易度だと思います。

 

映像では、上述の「The New Coin Magic of Dr. Sawa」DVD以外に、Stevens Magic Emporiumから出ているGreater Magic Video Libraryシリーズの43巻が、沢浩氏の巻となっています。

 

<2013年1月31日追記>

その後2013年の1月に、東京堂出版から宮中桂煥著「澤浩の奇術:Magic of Dr.Sawa」が出版されました。
これは上記2冊に勝るとも劣らない充実した内容の重要な本ですので、ここに追記します。

 

私にとっての沢浩氏

個人的な話しでちょっとお恥ずかしいですが、わたしの沢浩氏に対する思い入れを書いてみます。

 

私の記憶に残る最も古い沢浩氏は、小学生の頃にマジック番組で見た演技です。

ちょっとマジックそのものはよく覚えていないのですが、日本が誇るオリジナルマジックの名手として紹介されており、次々に自分でマジックを考えて演じるなんて、大変だなぁなどと思ったのを覚えております。

 

わたしがマジックを本格的に始めた頃には、沢氏はあまりマジックをなさらなくなっていたようで、色々とマジック関連のイベントに参加しても、本人の演技を見る機会はありませんでした。

しかし「Sawa’s Library of Magic」や、季刊「不思議」という雑誌のレポートなどを読んで、沢さんの独特なマジックに対する興味は増すばかりで、わたしのマジックにおけるアイドルの一人となっていました。

「てんとう虫」や「なみだ」を自作して演じたり、話だけしか知らない真珠物語を自分なりのイメージで構成して演じたりもしていました。

 

しかしそれから10年あまり経って、沢さんが少しずつマジックの世界に復帰されるようになり、日本のテレビ番組で演技をされたり、「The New Coin Magic of Dr. Sawa」が出たりするようになりました。

 

沢浩さんにサインをいただきました。

沢浩さんにサインをいただきました。

この頃に名古屋で開催されたコンベンションに参加し、初めて沢浩氏ご本人の演技を見せていただくことが出来たのです。

 

残念ながら、開催プログラムの関係で、沢さんのショー自体は見られませんでしたが、廊下を通りかかられた沢さんにリクエストして、「One to Four」などいくつかのコインマジックを見せていただきました。

さすがは原作者、あの困難なコインマジックを、見事に演じられていましたよ。

 

持参した「Sawa’s Library of Magic」の扉にサインもしていただき、わたしの宝物となっています。

くねくねと波打ったような形のサインですが、これ「沢浩」と書いてあるんですね。

さすが、サインも独特です^^

 

沢浩氏の作品を学べる本など

石田天海賞の「沢浩作品集」は日本語ですが、もともと部数限定なので、ショップなどの在庫に残っているものを買うか、オークションなどで入手するしか無いでしょうから、ちょっと入手は困難ですね。

 

「Sawa’s Library of Magic」も再版はされていないでしょうから、現在では扱っているショップも少ないでしょう。

 

日本語の本で普通に入手できるものとしては、「ラリー・ジェニングスのカードマジック入門」に1作品だけ、「ファクシミリ」というカードマジックが解説されています。

この「ファクシミリ」はGreater Magic Video LibraryのDVDにも入っており、単発の小品マジックですが、奇妙な味わいのある効果的な作品で、わたしもよく愛用しています。

 

他には、テンヨーの商品であるブルー・クリスタルを深く掘り下げて研究した、「沢浩のブルークリスタルの研究」という小冊子があります。

これも部数限定の冊子ですから、今から普通に購入することは困難でしょう。

 

映像媒体である「The New Coin Magic of Dr. Sawa」DVDやGreater Magic Video Libraryシリーズ43巻は、現在でも普通に購入できると思います。

 

マジック用具として発売されているSAWAGSは、マジックショップなどで購入できます。

サワ・ボックスは元々限定販売で、長く入手困難でしたが、最近復刻されていますので、現在は普通にマジックショップで手に入ります。

両方とも結構高価な商品ですが、アイデア次第で無限の可能性を秘めた応用性の高い用具です。

もちろん自分で手順を考えなくても、商品に付属している沢さんの手順だけでもバラエティに富む素晴らしいものです。

 

<2013年1月31日追記>

東京堂出版から宮中桂煥著「澤浩の奇術:Magic of Dr.Sawa」が出版されましたので、これも追記します。

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