カードマジック

saturday

ニック・トロストのスローモーション・4エーセス “Saturday Aces” by Nick Trost

ダイ・バーノン創案になるスローモーション・フォア・エーセスは、クラシック・4エーセスのバリエーションのひとつです。
カードマジック事典」にもこのプロットのエース・アセンブリがひとつだけ収められています。それが今回ご紹介の”Saturday Aces”です。
カードマジック事典の紹介でも記されている通り、バーノンの原案から見ると大分簡略化された手順となっています。

ニック・トロストと言えば、そこそこ古い私のようなマニアにとってみれば、ユニコン社から出ていた「Subtle Card Magic」をまず想起してしまいます。
全体的に、ほぼセルフワーキングあるいは、比較的平易な技法を用いて、頭の良い構成のマジックを練りだすクリエイター、といった印象があります。

いやしかし、つい先日センチメンタル・エーセスを紹介したばかりで、またエース・アセンブリかよ!と怒られそうですね。
まあそれだけ私の好みのプロットなのだということでお許しください。

 

ニック・トロストの”Saturday Aces”

では、動画をアップしてありますので、よろしければご覧ください。

最初の4枚のレイアウト部分に、Braue Additionをベースとしたクラシック・4エーセスのような手法を用いているのは、確かにバーノン手順から見れば簡略化されていると言えるでしょう。

しかしレイアウト構成などの基本的な手順のアイデアは、バーノンの作品や、以前紹介したマイケル・スキナーの手順などと同様のものです。
スローモーション・4エーセスではオーソドックスな構成と言えます。

4枚のレイアウト部分の手順は、一応カードマジック事典の記述をほぼ厳密に踏襲したつもりです。
カードをラフに扱いながらチラリとフェイスを見せるようなサトルティ等、細かい部分に配慮が行き届いているのを感じました。

3枚目のエースの消失部分については、カードマジック事典の記載がイマイチ正確に理解しづらかったので、多少自分なりの解釈を入れたやり方としています。
少なくとも、ルポールの「有効な疑念解消法」の技法を用いてのあらためは、完全に私の考えで入れてみたものです。

まあここは多少の技法を使う部分ではありますが、バーノン手順よりは手数が少なく簡単だとは思います。
その代わり、ラストがエンドクリーンでない点が、簡略化に対するトレードオフと見るべきでしょうか。

全体的に見ると、スローモーション・4エーセスの中では比較的取り組みやすい手順なのは確かでしょう。

 

ニック・トロストの”Saturday Aces”を解説した文献等

この作品は、「カードマジック事典」に掲載されています。
目次で「4枚のA③」という項目がそうです。

また、「カードマジック事典」と同じ高木重朗氏の著である「奇術入門シリーズ カードマジック」にも掲載されています。

「カードマジック」掲載の手順は、本作品とは別であることをご指摘いただき、訂正しました。

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コメント

  • コメント (4)

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    • ゆうき
    • 2013年 8月 02日 1:01pm

    「カードマジック」 に収録されている作品は、ここで紹介されている事典収録の作品とはあきらかに別です。

    しかもその解説を読む限りは、あきらかに 「ターベルコース」 収録のマルロー作品と同じものです。
    ちなみにマルローの作品は、高木さんの後輩である気賀さんの 「百万人のトランプ手品」 にも紹介されておりますので… クレジット自体を間違えている可能性も大きいかと。

    そして、今回取り上げているトロスト作品に関する、事典の記述に関してですが、一段目、二段目における消失で重要なのは、映像では省略 (変更) されている、右手と左手を駆使したマジカルジェスチャーではないかと思われます。

    このタイプのアイデアにおける処理で難しいのは、スチールそのものよりも、リプレイスメントの瞬間であり、そのタイミングに関する考え方はいくつかありますが、私はあのジェスチャー自体が重要なサトルティになっていると思うのです。

      • Shanla Type2
      • 2013年 8月 02日 2:51pm

      >ゆうき様
      ご指摘ありがとうございます。
      確かに「カードマジック」掲載の手順は別のものでした。この本でトロスト作品を読んだという記憶から、不正確な記事を書いてしまい失礼しました。

      それと今回のトロスト手順に関する見解、なるほど私にとって目から鱗が落ちるものでした。
      1枚目2枚目のジェスチャーが、3枚目のリプレイスメントに対して、いわゆるアードネス言うところの「動作の一貫」原理によるカバーの効果をもっているのですね。
      確かに事典の解説では「(手を)パケットの上にのせて」と書かれていますが、この記述の行間の意味を読みきれていませんでした。

      こうやって経験ある方にご指摘いただけるということは、本当にありがたく思います。

    • nikaikai
    • 2015年 7月 16日 10:52pm

    この動画では、どのようなパームを使ってらっしゃるのでしょうか。まだ初心者なもので、拙い質問申し訳ありません。

    • いわゆる普通のパームで、クラシックパームとかオーディナリーパーム、あるいは単にパームと呼ばれるポジションです。
      動きはサイドスチールに類するものです。

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