沢浩師の作品、「ファクシミリ」という奇妙なカードマジックをご紹介します。
このマジックは「ラリー・ジェニングスのカードマジック入門」にも解説されているので、ご存知の方も多いかも知れません。
単純な現象ですが、ちょっと普通のカードマジックには無い奇妙な味わいのある、沢師ならではの小品マジックです。
ファクシミリの演技
では、わたしが演じるファクシミリの動画を作成してみましたので、ご覧下さい。
前振りがえらく長いのはお許しください^^;
現象は非常に単純で、デックの中に入れたカードが、瞬時に指先から出てくる。それだけです。
しかしこのマジックの奇妙な魅力は、指先にカードが出るタイミングの唐突さにあると思います。
普通に見ていると、カードをデックに差し込んだ後、デックを揃えるなりテーブルに置くなり、何らかのアクションがあると予想するでしょう。
そういう見方を裏切って、差し込んだ瞬間にいきなり出現するのは観客にとってかなり意外で、文章で読んだだけでは予想できないほど受けるマジックだと思います。
このような印象は、他のカードマジックでは使われないような技法の独特の応用方法によって達成されています。
沢師はこの技法を高く評価されており、このマジックのようなバックパームだけでなく、リバースさせる操作なども研究されていたそうです。
微弱電流を利用してカードを移動云々のセリフ、うそ臭いですけど、この奇術を演じるときは是非大真面目にこの説明をしてみてください。
何の説明も加えず、ただ単に差し込んだカードが一瞬で指先に移ります、というのを見せるだけでは、このマジックの魅力は半減するような気がします。
ファクシミリを覚えることの出来る本など
沢浩師のファクシミリは、「新版 ラリー・ジェニングスのカードマジック入門」に解説されています。
また、本人による演技と解説の映像としては、Steavens Emporiumから出ている「The Greater Magic Video Library Volume 43」に収録されています。
この記事へのコメントはありません。